信濃毎日新聞ニュース特集

大雨被害

諏訪地方の観光地深刻な影響 ビーナスライン路面崩落
2006年7月19日(09:14)
17日に道路の一部が崩れた茅野市北山のビーナスライン。18日も崩落は広がり、センターライン近くまで亀裂が入った

増水した川から流れ込み、諏訪湖岸を覆い尽くしたヨシや枯れ枝。ごみも交じっている=諏訪市湖岸通り5

 17日未明からの大雨が、夏のシーズンを迎えた諏訪地方の観光地にも影響を与えている。茅野市北山のビーナスラインは路面の一部が崩れ落ち、17日午後4時から大門峠近くの旧料金所―車山スキー場入り口のおよそ2キロ区間が全面通行止めに。諏訪湖には、流入河川から大量のヨシや枯れ枝などが流れ込んで、岸を覆った。
 諏訪建設事務所によると、ビーナスラインの2カ所で、長さ22メートル、幅3メートルと、長さ25メートル、幅2・5メートルにわたり、それぞれ崩落した。ともにガードレールが宙づり状態になった。
 大阪府箕面市から仲間5人で訪れた田中信雄さん(64)は旧料金所前で車をUターンさせざるを得ず、「八島湿原を歩く予定だったが、行き先に困る」と残念そう。車山高原観光協会によると、各宿泊施設が予約客に迂回(うかい)路を案内しているが、宿泊や食事の予約のキャンセルも出ているという。「今はニッコウキスゲの最盛期。片側だけでも通行できるようになってほしい」と復旧を願っていた。
 通行止めの影響で路線バスが運休し、車山高原から茅野市北山小学校と北部中学校への児童生徒の通学に支障が出た。諏訪バスは、19日から終業式の25日まで、迂回路を通る臨時バスを運行する。
 一方、ヨシなどが大量に流れ込んだ諏訪湖では、遊覧船運航会社の担当者が「航路上にヨシがたまり、避けて通っている。桟橋付近に集まれば船の出入りに支障が出る」と困惑した様子。「できるところは観光業者としても協力し合って取り除きたい」と話した。
 諏訪建設事務所の平沢清所長は「ビーナスラインは、遅くとも(週末を迎える前の)21日午後5時までには片側通行できるよう仮復旧を急ぎたい。諏訪湖の流木は、治水上、浄化上、景観上で問題。できるだけ早く除去したい」と話している。

【写真説明・上】17日に道路の一部が崩れた茅野市北山のビーナスライン。18日も崩落は広がり、センターライン近くまで亀裂が入った
【写真説明・下】増水した川から流れ込み、諏訪湖岸を覆い尽くしたヨシや枯れ枝。ごみも交じっている=諏訪市湖岸通り5


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