信濃毎日新聞ニュース特集「2006長野県知事選」
汗だく…訴え最後まで 知事選2候補、駅前や夏祭りへ
2006年8月 6日掲載

 駅前へ、夏祭りの会場へ、候補2人は人を求めて駆けた。知事選の選挙運動最終日となった5日、届け出順に、新人で前自民党衆院議員の村井仁さん(69)と、現職で3選を目指す田中康夫さん(50)は、午後も時間を惜しんで街頭に立って握手を繰り返すなど、汗まみれで最後の訴えを繰り広げた。

<村井さん 「コールに駆け寄り握手」>

06080601.jpg 村井さんは午後1時20分、長野市の選挙事務所で「頑張れ」とスタッフから声援を受けると、選挙カーに乗り込み出発。元気よく手を振りながら市北部の住宅地へ。

 午後2時、善光寺近くで車を降りると「長野びんずる」で歩行者天国となった中央通りなどを「村井です。よろしく」と歩いた。

 白い長袖シャツは汗でびっしょり。それでも時々小走りしながら握手して回った。男性飲食店主が握手しようと手を差し出すと「食品衛生上よろしければ」。歩行者天国ではばちを手に太鼓をたたいて笑顔を見せた。

 菓子店の女性(81)は「腰の低い人。県民の話を聞いてくれそう」。村井さんに話しかけられた靴店主の妻(66)は「防災のことなどで有言実行を期待できる感じ」。

 車いすの女性(55)から「障害者の暮らしを良くして」と声を掛けられると、大きくうなずきながら力強く手を握った。

 午後4時すぎ、長野駅前で街頭演説。「県民の話をよく聞いて判断していく」と強調すると「子孫に荒れ果てた県土を残さないよう整備を続けることと、入所希望の多い特別養護老人ホームを増やすなど高齢者福祉を充実することを訴えたい」。そして「観光や経済の立て直しにも力を入れる」と訴えた。

 特急で「私の政治活動の中心」という松本市に移動。午後6時から「松本ぼんぼん」を踊る人の脇をマイクを握らず支援者と手を振って歩いた。「村井」コールが起きると「ありがとう」と駆け寄って手を握った。

【写真説明】商店街を歩いて有権者と握手する村井仁さん=5日午後2時半、長野市の中央通り

<田中さん 激励の手紙に笑顔浮かべ>

06080602.jpg 田中さんは午後1時20分、長野市松代町で街頭に立った。紺色のスーツ姿で額に汗をにじませながら演説。集まった年配の女性たちから「若くっていいねえ」と声が掛かると、田中さんは「でも、50歳だよ」。

 遠巻きに田中さんを見守った小学校時代の担任の男性(76)は「選挙中も、知事として豪雨被災地を回った姿勢が良かった。『県民力』となれ」とエールを送った。

 「小学校入学前のお子さんの医療費は無料になりました」「在宅介護家庭へのヘルパー無料派遣事業も始めます」

 選挙カーからこう訴えながら、午後4時半すぎに徒歩で市中心部へ。権堂アーケード通りや中央通りで記念撮影や握手に応じ支持を呼び掛けた。

 田中さんからビラを受け取った靴店経営の男性(71)は「庶民とも触れ合う気持ちは好感が持てる。商売人には厳しい状況が続く。経済産業政策もしっかりやって」。

 長野駅前での街頭演説では、ぐるりと囲んだ聴衆に「あすは1人でも多く投票所に足を運び、後戻りしない信州であることを確認し合える日にしたい」。その訴えに大きな拍手が起こった。

 しなの鉄道で上田市に向かうため、駅頭を歩き出すと、女性支持者の子どもたちが激励の手紙を手渡した。それに目を通し、「ありがとう」と笑顔を浮かべた。

 午後7時40分、上田駅前での演説では「私はこれからも現場にあり、そして、皆さまと対話をしていく」と強調。支持者から「頑張れ、負けるなよ」と声が上がった。

【写真説明】夏祭りの人出の中を歩き、握手する田中康夫さん=5日午後5時40分、長野市の二線路通り


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