知事選(8月6日投開票)に立候補している新人の村井仁氏(69)、現職の田中康夫氏(50)は31日、遊説などでともに飯田下伊那地方に入った。県南の地を舞台に2氏は、県庁と市町村や地域住民との距離を縮めていく姿勢を、それぞれの言葉で訴えた。
村井氏は午後、木曽地方から選挙期間中3度目の下伊那郡入り。少子化の中、高い合計特殊出生率を維持する下条村では「(村は)工夫していろいろな子育て支援をしている」「下条村のような市町村を支援したいとあらためて感じた」とエールを送り、市町村との協調姿勢をPRした。
高齢化率が高い町村が多いことも念頭に、行く先々で「高齢者福祉は大丈夫なのかという不安に応えるため、県政はしっかりやらないといけない」と訴えた。
田中氏は朝、飯田市内のホテルを出発し、夕方までに飯田下伊那の15市町村中、14市町村を駆け足で巡った。阿智村のショッピングセンター前では「私が愛する南信州で、地道に生きる一人一人の思いをきちんと伝えていく」と集まった人に語りかけた。
同村昼神温泉では、阿知川沿いに設置された木製ガードレールに触れ、「地元の雇用は(鋼製ガードレールの)5倍になる」と強調、地域密着型の公共事業を進める姿勢をアピールした。
街頭演説先の下伊那郡清内路村で、集まった人と握手する村井仁氏=31日午後2時45分
遊説に訪れた下伊那郡大鹿村で、集まった人と握手する田中康夫氏=31日午後2時45分