信濃毎日新聞ニュース特集「2006長野県知事選」
民主本部が現職との対決色に慎重論 県連幹部は不快感
2006年6月24日掲載

 8月の知事選に向けた民主党県連(羽田孜代表)の対応をめぐり23日、党本部と県内支部から、現職の田中知事との「対決色」を打ち出すことに慎重な声が寄せられた。同日、鳩山由紀夫党幹事長は記者会見で「自主投票も否定されない」と言及。県連上伊那支部は、自民党との協議を行わないよう求める申し入れ書を県連に送った。
 鳩山幹事長は会見で「まずは地元の努力」と県連の対応を尊重する姿勢を見せたものの、「望ましい候補者がいないかと困り果てた揚げ句、候補者を出せないかもしれない。自主投票もまったく否定されるものではない」と述べ、来年の参院選を視野に、新党日本代表でもある田中知事との関係も考慮したい事情をのぞかせた。
 一方、寺平秀行・上伊那郡箕輪町議が支部長を務める党上伊那支部は、独自候補擁立は慎重に判断し、候補者一本化を目的とした政党間協議は行わないよう求める同日付の文書をファクスで県連に送った。寺平氏は上伊那の有志でつくる知事支援組織の会員でもある。
 党県連は今年1月、田中県政を「成果を十分挙げたとは言い難い」と総括。県連内には羽田雄一郎参院議員(38)=県区=の擁立を模索する動きがある。
 県連幹部は、鳩山発言に「地方主権を立党の党是としている民主党の幹事長の発言とは思えない。県連には何の相談もなく、『迷言』に左右されることはない」と不快感を示し、上伊那支部の申し入れは「承知していない」と述べた。


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