信濃毎日新聞ニュース特集「2006長野県知事選」
務台氏「現時点では辞退」 連絡協が知事選立候補要請
2006年5月23日掲載

 8月の知事選で田中知事に対抗する候補の擁立を目指している「新長野県政連絡協議会」(代表・永田恒治弁護士)などは22日、総務省で同省調整課長の務台俊介氏(49)=旧南安曇郡三郷村出身=に立候補を要請した。務台氏は告示まで2カ月を切った現時点で、「要請に対して満足いただける答えができない状況にある」と伝えた。
 この日は、連絡協議会のうちの4団体と、「新しい長野県をつくる会」(代表・町田伍一郎長野市議)のメンバーら約20人が同省を訪れた。「長野県政は、行政改革の名のもとに破壊が先行し、創造がほとんど実行されず、極めて憂慮すべき状況」にあるとして、立候補の決断を求めた。
 これに対し務台氏は、田中県政が県庁組織の能力を生かしておらず、国、市町村と信頼関係を築けていないと指摘。「田中県政の評価と反省に立って新しいビジョンをもとに県政を立て直すことが必要」とした。ただ、知事に対抗するには「市民団体の声を突破口に政党、各種団体が広範に団結して対峙(たいじ)していかないと効果的な戦いにはなり得ない」との見解を示し、この日の要請に応じられない理由として「候補者の一元化に向けての作業が進まない」状況を挙げた。
 務台氏は取材に「現時点では事実上の辞退」と述べる一方、「(今日の回答は)不出馬表明ではない」とも語った。
 出馬要請後、同協議会は務台氏の回答を踏まえて県選出国会議員の各事務所を訪ね、支援を求めた。永田代表は「1日も早く務台氏が出馬できる状況をつくりたい」と話し、市民団体や政党などを含めた統一候補として擁立を目指す考えをあらためて示した。


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