信濃毎日新聞ニュース特集

どうする高校改革

「白馬高に観光学科を」 地の利生かした特色狙い
2013年2月 7日掲載

 白馬村の白馬高校の魅力づくり検討委員会(宮沢敏文委員長)は6日、観光学科新設などを盛り込んだ中間報告をまとめ、同校を育てる懇話会会長の太田紘熙村長に答申した。生徒数減少により県教委の高校再編基準に該当しかねない事態を受け、観光地としての地の利を生かした特色化を図る狙い。懇話会は今後、県教委に要望する方針だ。

 答申で検討委は、白馬、小谷村の主産業になっている観光関連の人材育成の場に―といった意見を集約し、現在の2クラスを維持しながら、普通科と観光学科を1クラスずつ置くことなどを提案した。

 検討委は今後も、他県の観光専門学科の事例などの研究や地元観光関係者らの意見などを踏まえ、具体的なカリキュラムや地域連携についてもまとめ、7月をめどに最終報告を答申する予定という。

 答申を受けた太田村長は「地域を上げて存続の機運を盛り上げたい」とし、16日の会合で協議の上、県教委への働き掛けを始めるとした。

 県教委は「観光学科については全国の事例や課題を調査中」とし、「個別の検討については白馬側の要望を受けた上で検討していきたい」としている。

 同校の本年度生徒数は161人。県教委が2009年に示した再編基準では、2年連続で全校生徒が120人以下か、2年連続で160人以下で、卒業者の半数以上がその高校に進む地元中学がない場合、分校化や他校との統合、募集停止を選択するとしている。

 同校によると、この春3年生60人が卒業すると、来年度の生徒数は160人以下になる見通し。危機感を持った懇話会が昨年9月に検討委を発足させ、特色づくりについて7回の会合を重ねてきた。


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