信濃毎日新聞ニュース特集

どうする高校改革

東御清翔高に「舞台芸術」新設へ 多部・単位制移行で
2010年10月26日掲載

 東御市県の東御清翔高校は来年度、多部制・単位制に移行するのに併せて、外部講師を招いて音響や照明、舞台設営などを専門的に学ぶ科目「舞台芸術」を新設する。進学先の幅を広げるとともに、学校の魅力づくりにつなげる狙い。県教委教学指導課によると、舞台芸術を学ぶ科目の開設は県内の公立高校では初めて。
 新科目は来年度以降に入学する生徒が対象。機材の操作、コンサートの企画から実施までの流れ、音楽業界の実情などを学ぶ。市文化会館サンテラスホール(東御市常田)の指定管理者となっているNPO法人「Js文化フォーラム」の技術者が中心となって講師を務める。同校から徒歩で10分ほどの同会館で機材を使った実習もあり、1年生で約30時限、2、3年生で各約60時限の授業を行う。
 舞台芸術の科目導入は8月に同NPO法人が提案。「芸術系大学への進学や音響や照明の技術者としての就職を目指せる」(徳武高標(たかすえ)校長)ことなどから、学校側も受け入れを決めた。
 舞台芸術科目の新設について、信大人文学部(松本市)の北村明子准教授(舞台芸術論)は「感動を生みだす人々の作業に実践的に触れていく授業が高校で始まれば、どのように舞台がつくられているのか、(生徒たちの)理解が進む。芸術と人々との距離がより近づくための大切な一歩にもなるのではないか」と話している。


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