信濃毎日新聞ニュース特集

どうする高校改革

飯田13年度、飯山14年度 県教委が統合時期案
2008年11月 7日掲載

 県立高校再編を検討している県教委は6日、飯山北と飯山、飯田工業と飯田長姫の2組について、統合時期のめどをそれぞれ2014年度と13年度とする案を示した。統合後の飯山高校について、生徒がテーマに沿って学ぶ県内初の「探求科」(仮称)を設けることを提示。飯田の新校の場所は「検討中」とした。
 県教委の案によると、統合後の飯山は、普通科3学級のほか、現在の飯山にある体育科を受け継ぐスポーツ科学科(仮称)1学級、探求科2学級。計6学級で、飯山北と飯山の09年度募集定員の合計より1学級少ない。当初の計画通り、飯山北の校地を利用する。
 飯田の新校は全日制と定時制を設け、全日制は工業科5学級、商業科2学級。飯田工と飯田長姫の09年度募集定員の合計と比べると、工業科が1学級少ない。
 定時制は普通科と工業科が1学級ずつで、09年度の両校合計より普通科が1学級少ない。校地は、南信州広域連合と同議会が飯田長姫を「やや優先」とする要望書を提出したが異論もあるため、今後、教育委員の現地視察を踏まえて決める。
 2組の統合案は、18日に開く県教委臨時会で再度論議。早ければ12月定例県会に、統合に同意を求める議案を提出する。
<新飯山高に「探究科」>
 県教委が統合後の飯山高校に普通科、スポーツ科学科(仮称)に加え、県内初の「探究科」(同)設置案を示したのは、両校統合後の旧第1通学区で普通高校が1校に減ることに対応するためだ。生徒の多様な希望に応える「オールラウンド」な学校づくりを目指し、進学を目指す生徒の要望も満たす狙いだ。
 県教委の案によると、探究科は現在の飯山北の理数科を発展させる方向。同科の生徒は現在、地震や放射能など思い思いのテーマで調査や実験をしている。これらは放課後や長期休業中の課外活動と位置付けられているが、探究科は正規の課程に取り入れる計画だ。
 1年生は少人数のグループごとのテーマで探究の基礎を学ぶ。2年生で自然科学と人文科学に分かれ、個人かグループで研究。論文にまとめて3年生で発表する。公募されるさまざまな賞への応募や海外研修も行うとしている。
 探究科のモデルになったのは、1999年度に「人間探究科」「自然探究科」を設けた京都市立堀川高校。独特の教育をするだけでなく、難関大学への進学者が大幅に増えたため、全国的に注目を集めている。
 飯山北の米沢修一校長は「新たな高校に寄せる地域の期待は高い。探究科には、ほかの旧通学区からも生徒を呼び込みたい」と話している。


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