県教委は4日夜、6月に決定した県立高校再編計画の骨子案について上伊那地方の住民から意見を聞く懇談会を、伊那市の県伊那合同庁舎で開いた。約40人が参加。専門学科の教育内容の充実や、中高一貫校の設立に関する意見が出た。
骨子案は、上伊那地方の高校再編について、2018年ごろまでの第1期は「現状の学校数を維持」、それ以降の第2期は「専門学科の適正配置や地域高校のあり方を検討する」としている。
中小企業に勤める男性は、大卒者の獲得が困難な現状を説明し、「上伊那の製造業は中小企業が支えている面がある。高校で工業を体系的に学んだ人材がほしい」と訴えた。中高一貫校については、「特に地域高校で検討を進めてほしい」との意見の一方、「エリート優遇策につながる可能性もある」として否定的な意見も出た。
また、本年度から多部制・単位制高校としてスタートした箕輪進修高(箕輪町)が、中学で不登校を経験した生徒らを受け入れている現状から「丁寧な対応が必要になっているのに教員の配置が配慮されていない」とし、充実を訴える意見も複数出た。
懇談会は県内12の旧通学区ごとに開催。県教委は懇談会などの意見を参考に、具体的な再編計画案を、12月をめどにまとめる。