信濃毎日新聞ニュース特集

どうする高校改革

一斉実施は撤回へ 長野・岡谷など延期議論
2006年9月 6日掲載

 県教委は5日、教育委員会臨時会を6日午前に開き、県立高校の統廃合を盛った高校改革プラン実施計画の見直しについて話し合うことを決めた。計画で07年度からの一斉実施としていた再編対象校の一部について、同年度の実施を延期する方向で調整している。高校再編問題は、県教委が推進してきた一斉実施方針が事実上撤回される見通しとなり、大きな転換点を迎えた。
 関係者によると、実施計画の決定前に、4通学区ごとに設置した高校改革プラン推進委員会の報告書の中で、「すぐにも再編・統合が必要な状況にはない」と付記した松代と長野南(ともに長野市)と、「地域の合意形成が他区に比べて不足している」などと記した岡谷東と岡谷南(ともに岡谷市)などが実施延期の対象として議論される見通しだ。
 県教委によると、13日招集の県会臨時会に提案する統廃合関連の議案は、各再編対象校ごとに計9件。長野市と岡谷市の2件のほか、飯山照丘と飯山南(ともに飯山市)、中野と中野実(ともに中野市)、中条(上水内郡中条村)と犀峡(同郡信州新町)、蓼科(北佐久郡立科町)と望月(佐久市)、飯田工業と飯田長姫(ともに飯田市)、木曽と木曽山林(ともに木曽郡木曽町)、大町と大町北(ともに大町市)−が対象となる。
 1日に就任した村井仁知事は議案について「議会が判断しやすいよう、個別に提出するべきだ」との考えを示しており、この方針に沿った対応。再編実施を延期した対象校についても、変更した実施時期を示した上で議会に提案する方針だ。
 また対象校のうち、大町と大町北の統合をめぐっては、地元首長や同窓会などが県教委や議会に反対の要望や請願を行うなど、長野、岡谷市の2件以外にも複数地域で反対の動きが出ている。
 6月県会では、統廃合に議会の同意を義務付ける議員提案の高校設置条例改正案が成立している。県教委が統合計画の一部を延期した場合でも、「地域合意がない」計画に反対する意見が強い県会が、九件の議案を可決するかは不透明な状況だ。


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