信濃毎日新聞ニュース特集

どうする高校改革

県教育委員長の再任案否決 県会委、高校再編に反発
2005年12月16日掲載

 県会文教委員会(牛山好子委員長、9人)は15日、任期満了に伴い、県教育委員長の宮沢脩氏(76)を教育委員に再任する田中知事提出の人事案を全会一致で否決した。県教委が本年度内の計画策定を目指す県立高校再編の進め方に異論が強いためで、19日の本会議でも否決される見通し。文教委はこの日、計画策定に「慎重な対応」を求める決議も全会一致で可決した。

 宮沢氏の再任案をめぐる討論で、望月雄内委員(政信会)は「(高校再編問題で)県民の意見に謙虚に耳を傾ける姿勢がない」と主張。森田恒雄委員(県民協働・無所属ネット)は、宮沢氏が9月県会答弁で「どんな大学に行けそうかで、魅力ある高校づくりがなされる」とした発言を念頭に「魅力ある高校づくりに対する(宮沢氏の)認識に納得できない」とした。

 毛利栄子委員(共産党)と今井正子委員(トライアルしなの)は、現在の県教育委員は男女比(男性5人、女性1人)、職業といった点で構成が偏っていると指摘した。採決に加わらない委員長を除く8人全員が賛成しなかった。

 宮沢氏は長野いすゞ自動車会長で、2001年12月に県教育委員に就任、今年4月から委員長として、統廃合を含む県立高校再編を進めている。県会は、県教委が統廃合対象に挙げた高校関係者らの反対意見を踏まえ、6月定例会で再編案の「白紙撤回」を決議したが、宮沢氏は本年度内に再編実施計画を策定する方針を変更しなかった。

 文教委が可決した決議は「県教委が想定しているスケジュールでの実施計画策定では県民合意が得られない」と、スケジュールにとらわれない県民の合意形成を求めた。


<前の記事 どうする高校改革 トップ 次の記事>

掲載中の記事・写真・イラストの無断転用を禁じます。
Copyright© 信濃毎日新聞 The Shinano Mainichi Shimbun