信濃毎日新聞ニュース特集

どうする高校改革

高校改革で県教委が再編案公表 全日制募集停止14校
2005年6月25日掲載

 県教委は24日、県庁で臨時会を開き、現在89校の県立高校を再編し、全日制14校の募集を停止することを柱とする再編案を公表した。5月の定例会で示した第1―4通学区ごとの削減目安に沿った内容。各通学区に1校ずつ設置する多部制・単位制校、総合学科校の候補も挙げた。各通学区の高校改革プラン推進委員会に「議論のたたき台」として提出。年内に検討結果をそれぞれまとめるよう求める―としている。

<79高校に再編案>
 少子化や県財政の悪化を理由に、統廃合の対象校名が案として提示されたのは初めて。6月定例会で校名提示の方針を決めていたが、行政や議会を含めた各校関係者には反対の声も強かった。今後の議論の行方に大きな影響を与えそうだ。
 再編案によると、全日制は第1通学区(北信)は6校減の21校、第2通学区(東信)は2校減の15校、第3通学区(南信)は3校減の22校、第4通学区(中信)は3校減の17校に削減。多部制・単位制校、総合学科校への転換があるため、計79校に再編される。
 全日制は、県地域高校協会加盟の19校のうち、飯山照丘、中条、望月の3校が近隣校に統合される。飯山地方の普通科校は将来、飯山南も廃止し、飯山北だけとする。阿智や蘇南、白馬などは高校改革プラン検討委員会が最終報告で示した「立地条件など特別な事情がある場合は1学年2学級」の下限を当てはめて存続とした。
 都市部では松代の校舎・校地を利用する形で長野南を廃止。ただ、上田、諏訪地方は現状維持とするなど、長野、松本市内も含めて大きな変化がなかった。
 総合学科校は、中野を統合した中野実業、飯田長姫を統合した下伊那農業、丸子実業をそれぞれ転換して新設する。また、定時制、通信制校は、現行21校を13校に再編。坂城、野沢南、箕輪工業、松本筑摩を多部制・単位制校にする。
 この日の臨時会は高校再編の協議を非公開とした。県教委は「再編案は『たたき台』。各推進委で別の結論が出てもいい」としている。

[多部制・単位制と総合学科]
 多部制・単位制は不登校経験者など多様化している生徒に合わせ、午前、午後、夜間など生徒が希望する時間帯を選択して学ぶことができる。総合学科は生徒が進路に合わせて、普通科目と職業科目から柔軟に単位を選択できる。3年間の学年制ではなく単位制で、県内では塩尻志学館が2000年度に開校した。全国には248校ある。


どうする高校改革 トップ 次の記事>

掲載中の記事・写真・イラストの無断転用を禁じます。
Copyright© 信濃毎日新聞 The Shinano Mainichi Shimbun