信濃毎日新聞ニュース特集

大雨被害

「地域を元気にしたい」 岡谷の2小学校が始業式
2006年8月23日(09:40)
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 7月の豪雨災害で校舎に土石流が流れ込んだ岡谷市の上の原小学校と、土石流で7人が亡くなった湊地区の避難所となった湊小学校で22日、始業式があった。両校の児童とも、災害に負けずに元気に2学期を送ることを誓った。
 上の原小は教職員らによって土砂が撤去された。だが、始業式の会場となった体育館には、泥水を吸った床板が盛り上がるなどの災害跡が残る。3人の児童が全校児童約290人の前で「2学期の決意」を発表。4年の岩波凜太郎君は「運動会では学校をきれいにしてくれた大勢の人たちへのお礼の気持ちを込めて元気いっぱい頑張りたい」と話した。
 この後、児童たちはクラスごとに分かれ、担任教諭から災害発生当時の様子や復旧作業について説明を受けた。土石流が直撃した校舎の裏も見学し、押し寄せた土砂を取り除いた人々の苦労を思った。
 湊小の校舎は、災害発生から20日間にわたり避難所として利用された。避難勧告が解除された後、地元住民が感謝の気持ちを込めて校舎内を清掃した。グラウンドに流れ込んだ泥も撤去され、災害の名残はない。
 体育館で開いた始業式では、全校児童約170人の前で3年の大槻純加さんが決意表明。復旧に当たったボランティアらに感謝しながら「人を助ける仕事をしたい。そのために勉強を頑張る」と発表した。小坂公民館で一時、避難生活を送った5年の味沢泰征君は「大きな声であいさつをして地域を元気にしたい」と誓った。この後、全校児童と教職員が亡くなった住民に黙とうをささげた。
【写真説明】土石流で窓が壊れた体育館を見つめる岡谷市上の原小の児童(写真上)
始業式で災害に負けない気持ちを発表する岡谷市湊小の児童(写真下)


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