7月の豪雨で土石流被害を受けた岡谷市上の原小学校で20日、保護者や教職員、地域住民ら約300人が復旧のために移動してあった机や教材を教室に運び入れた。1学期が終わる1週間前の7月19日から休校していたが、2学期は予定通り22日に始まる。
豪雨災害により、6教室のほか、職員室、給食室、体育館などに土砂や水が流れ込んだ。土砂の排出や床材の張り替えのために、机やいす、習字道具などを別の教室に移してあった。
保護者らはこの日、机やいすを元の教室へ運び込み、教室の窓などに残った泥の汚れなどをぞうきんでふき取った。3年生の二女が通う今井美保さん(40)=岡谷市今井=は「子どもは学校を楽しみにしている。再開にこぎ着けられて良かった」と笑顔を見せた。
地域住民や他の学校のPTA役員ら計約100人は、始業式の会場となる体育館の掃除をしたり、敷地内にある木の剪定(せんてい)をした。
石原俊彦校長は「大勢の人が力を貸してくれてうれしい。こんなに早く復旧できるとは思わなかった」と話していた。
始業後の安全対策について、保護者への説明会も開かれた。県諏訪建設事務所は来年末までに裏山に砂防ダムを設置する方針などを説明。体育館などまだ復旧していない施設について、市都市計画課は来年3月までに工事を完了させるとした。
【写真説明】元の教室に机やいすを運び込む保護者たち=岡谷市上の原小学校