信濃毎日新聞ニュース特集

大雨被害

〔写真グラフ〕復旧の力ボランティア 岡谷に県内外から
2006年8月 1日(09:10)

 豪雨災害から2回目の週末となった29、30日、大きな被害を受けた岡谷市には地元住民のほか県内外からボランティアが集まり、夏空の下で土砂の除去作業などの復旧作業に汗を流した。
 ボランティアの受け入れと派遣をしている市災害救援ボランティアセンターは、2日間で延べ873人のボランティアを派遣。このうち283人が、泥のにおいに苦情が出ていた湊地区の保育園跡地で、約600平方メートルにたまった深さ40―50センチの泥を人海戦術と重機で集中的に運び出した。
 粘土質の泥はスコップにへばりつき、参加者たちは汗びっしょり。須坂市からボランティア仲間と参加した40代の女性は「現場の大変さは来てみないと分からない。皆さんの心労が心配」と被災者を気遣った。
 ボランティアに依頼して庭の泥を片付けてもらった湊地区の主婦(42)は「何のお礼もできないけれど、感謝の気持ちでいっぱい。よそで何かあったら、今度は自分が手伝いに行きたい」と話していた。
 避難所の湊小学校には29日、NPO法人地球足もみ実践普及協会(本部・東京)の8人が「心身共に疲れている避難住民を癒やしたい」と訪問。避難住民が過ごす体育館や教室を回り、足をもみほぐした。同協会岡谷支部代表の八幡重則さん(61)=岡谷市堀ノ内=は「体が軽くなったと喜んでもらえて良かった」と話していた。
 土石流が校舎内外に押し寄せた上の原小学校(長地出早)では同校職員や県教委の呼び掛けで集まった県内小、中、高校の教職員のほか多くの保護者が復旧作業に携わっている。同日は保護者約120人が参加。大量に流れ込んだ泥の汚れがまだ残る校舎内を掃除した。コンクリートの床や木製のロッカーにこびり付いた泥を根気よくたわしでかき出してから、ぬらしたぞうきんでふき取っていった。


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岡谷市湊地区の保育園跡地にたまった泥を人海戦術で掘り進む=29日

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岡谷市川岸東の被災家屋で、窓や外壁に跳ね上がった泥を丁寧に落とすボランティア=30日

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上の原小学校の教室の床にこびり付いた泥をたわしでかき出し、ぞうきんでふき取る保護者たち=29日

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岡谷市役所内の市災害救援ボランティアセンターで、県内外から集まったボランティアにマスクや軍手を無料で配る地元ボランティアの女性=29日

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避難所の湊小学校で足つぼマッサージをするNPO法人メンバー=29日



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