岡谷市災害対策本部は31日午前7時、土石流災害被災地の湊地区の137世帯に出している避難勧告のうち、八重場沢川下流の23世帯77人への勧告を12日ぶりに解除した。この川の上流部の仮復旧工事が終わったため。自宅に帰った住民たちは、ひと息つく間もなく家の周りに残った土砂の片付けに取り掛かった。
避難所の岡谷南部中学では午前7時すぎから、勧告が解除された住民が着替えなどの荷物を自動車に詰め込んで次々と自宅へ。自宅の隣で精密部品加工工場を営む三沢茂さん(70)は「とにかく工場の片付けをしないと、ゆっくりもできない」と早速、泥の付いた機械を水で洗い流していた。
対策本部は同日午後、小田井沢川など土石流災害現場の上部を市職員があらためて調査し、安全性を確認した上、残り114世帯への避難勧告を8月1日午前7時に解除することを決める方針。31日夜には湊地区の諏訪湖岸を走る県道岡谷茅野線の一般車両の通行止めも解除する予定だ。
一方、上田市で産川沿いの市道が陥没し、新聞配達中に車ごと転落したとみられている新聞配達員小林正子さん(57)の捜索は31日、午前9時から約40人態勢で続行。上田広域消防本部の救助隊員や県警機動隊員が産川に潜って捜した。正午現在、見つかっていない。
【写真説明】避難勧告が一部解除され、避難所生活で使った荷物を自宅に運び込む住民=31日午前7時半ごろ、岡谷市湊