信濃毎日新聞ニュース特集

大雨被害

夏野菜も被害 県産レタスは出荷半減、小売価格も高騰
2006年7月28日(09:20)
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 豪雨の影響で、出荷の最盛期を迎えているレタスやキュウリなど夏野菜の収穫量が大幅に落ち込んでいる。強い雨で葉が傷ついたり、病害被害が出たりしたためだ。特に、この時期の出荷量で全国7割のシェアがある県産レタスは、南佐久地方などの出荷量が7月上旬の水準から半減。全国的な品不足で県内のスーパーなどでも野菜価格が高騰しており、生産者、消費者双方から悲痛な声が上がっている。
 全農県本部(長野市)園芸販売課によると、県産レタスの今週の出荷量は1日平均約7万ケース(1ケース16個)。収穫が順調だった今月上旬の約14万ケースから半減している。
 主産地の長野八ケ岳農協(南佐久郡南牧村)では、7月上旬のピーク時に1日5万―6万ケースだった出荷量が、3万―3万5000ケースに。レタスの中心部を守る外側の葉が雨で落ちてしまったり、傷ついた個所から病害が広がった。畑がぬかるみ、収穫作業ができなかったことも影響したという。
 南佐久郡川上村の農業男性(27)は「1000ケースの出荷予定がゼロになった場所もある」。今後、日照不足による野菜の変形や病害の拡大も心配され、「すべて天候次第。殺菌や病害防除で被害を最小限に食い止めたい」と話す。
 最盛期を迎えたキュウリの産地も深刻だ。みなみ信州農協(飯田市)によると、豪雨に見舞われて以降、管内の農家からの出荷量が減少。同農協が集計した26日の飯田市内からの出荷量は約10トンで、前年の同じ日より約6トン少なかった。同農協は「例年なら10月まで収穫できるが、今年は8月を乗り切れるかも不安」(生産部)と言う。
 産地の収穫量の減少を受け、野菜の小売価格は大きく上昇。長野市内のスーパーでは、レタスが1個150―200円、キュウリが1本50―60円と前週に比べ約1・5倍に値上がりした。買い物に訪れた上水内郡信州新町の主婦(53)は「毎日の食事に必要なので高くても買わなくてはいけないが、家計が苦しくなる」と嘆いていた。


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