信濃毎日新聞ニュース特集

大雨被害

塩尻でも土砂や家具の搬出相次ぐ 奈良井宿では休業の店も
2006年7月27日(09:25)
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 松本地方で豪雨被害が目立った塩尻市楢川地区では26日、被災家屋で土砂の除去や家財道具搬出の作業が続いた。土砂流出で自宅が全壊した贄川の4世帯は、近くの市営住宅や親類宅に移って生活。奈良井宿では休業している店もある。県は同日、贄川と奈良井へ職員の派遣を開始、計50人が家屋の片付け作業などをした。市は27日、被災者への義援金受け付けを始める。
 隣接する4戸の建物がそれぞれ半分以上、土砂で埋まった贄川の現場。家人が県職員の応援で、建物内の家財道具を運び出していた。
 築30年余の木造平屋が被害に遭い、夫婦で市営住宅に身を寄せている山口誠一郎さん(61)は「まず家を壊す資金の工面が課題。次に、住む場所をどう確保するか…」。既に定年退職しているため、「この年で丸裸になってしまい、途方に暮れている」と話す。
 水につかって使えなくなった家財道具は市が処分する方針。「家屋の解体費用などでも支援策があれば助かる」と山口さん。
 計25戸が床上・床下浸水した奈良井でも、家人と県職員が宿場町の建物内や庭にたまった土砂を運び出した。奈良井宿観光協会によると、床上浸水した民宿や土産物店など5軒が営業を休止している。うち1軒の土産物店を営む村山稔さん(51)は「土砂の搬出で衣服が泥だらけになるので、店の経営どころではない」。延長約1・2キロの宿場町は、土砂を搬出するトラックが頻繁に行き来している。
 同協会の永井康宏会長(62)は「観光客は例年の半分程度。時機を見て、もっと訪れてもらうようPRを考えないといけない」と話した。
 塩尻市が始める被災者義援金の問い合わせは市福祉課(電話0263・52・0280)へ。
【写真説明】土砂が入り込んだ塩尻市奈良井の民家。26日も土砂の除去や水浸しになった家財道具の搬出作業が続いた


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