辰野町赤羽地区に出されていた、豪雨災害による避難指示が26日、1週間ぶりに解除された。だが、対象だった10世帯のうち9世帯27人には依然、避難勧告が出ており、被災者は複雑な思いで自宅や仮の住宅へ向かった。
この日、避難所の赤羽コミュニティセンターにいた6世帯14人のうち、2世帯8人は自宅に戻り、4世帯6人は町や県が用意した仮の住宅に移った。
自宅が全壊し、体一つで逃げてきたという女性(52)は「命が助かっただけありがたい。着ているのはすべていただきもの。本当に感謝している。その日その日を過ごしていくだけです」と話し、支援物資の布団を仮の住宅に運んだ。自宅に戻る主婦(29)は「夜と雨が降った時は怖い。安心はできないけれど、家がいいので」と、不安げに避難所を後にした。
避難勧告が解除された箕輪町北小河内地区では、住民、県職員、建設業者ら約70人が家屋や水路にたまった土砂の撤去に追われた。同地区では土石流で約30戸が被災、うち10戸は一部損壊や床上浸水した。
家屋の床をはがし、土砂をスコップで取り除いたり、使えなくなった家具などを運び出した。家が床上浸水した男性(69)は「勧告は解除されたが、これからが大変」と言いながら壁や床の泥を洗い落としていた。
箕輪町社会福祉協議会の災害支援ボランティアセンターは、27日から北小河内地区にボランティアを派遣する。
【写真説明・上】仮の住居へ支援物資の布団を運び込む被災者=辰野町赤羽
【写真説明・下】家の床をはがし土砂を運び出す住人や県職員=箕輪町北小河内