信濃毎日新聞ニュース特集

大雨被害

ボランティアが手作りの食事提供 辰野の避難所
2006年7月26日(09:46)
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 豪雨災害による避難指示で、6世帯14人が避難している辰野町赤羽の赤羽コミュニティセンター。3食とも手作りの食事を提供し、積極的に話し相手になるなど、地元住民の努力とこまやかな心配りが避難所生活を支えている。
 避難指示が出た19日から2日間は、日赤奉仕団が避難所を運営。21日からは同地区の役員や被災を免れた住民が引き継いだ。食事は住民が約10人ずつ交代で調理。支援物資や住民が差し入れた食材を使い、栄養を考えて手作りし、これまで同じ献立は1度もないという。食中毒防止に特に気を使い、手洗いや食材を使い切ることなどを心掛けている。
 避難者は4部屋に分散して生活。出産予定日まで1カ月を切った女性もおり、健康状態に応じて家族ぐるみで1部屋を利用。洗濯機も1台用意した。ボランティアの住民は進んで声をかけて話をしたり、悩みを聞いたりもしている。
 運営責任者の茅野伸浩さん(64)は連日、避難所に詰めっきり。「避難している人の命を預かっていると思っている。けが人を出さないよう、無理を言って、家に帰りたいのを我慢してもらっている」。笑顔で避難者に対応する。
 避難所生活7日目という女性(50)は「家の修復など、今後のことを考えると不安。でも避難所は家庭的で温かく、3度3度おいしいものをいただいて…」と涙ぐんだ。
【写真説明】避難住民に栄養を考えた献立で食事を提供している辰野町赤羽の避難所


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