信濃毎日新聞ニュース特集

大雨被害

被災地球児全力プレー 辰野白星「地元に恩返し」
2006年7月23日(09:23)
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 上田県営球場(上田市)で22日に行われた全国高校野球選手権長野大会4回戦で、豪雨災害に見舞われた南信地方から辰野、伊那北、諏訪清陵の3校が出場し、「地元に明るい知らせを」と懸命のプレーを見せた。
 篠ノ井と対戦した辰野。学校や選手たちの自宅に目立った被害はなかったが、19日が臨時休校となり、練習ができなかった。その影響もあってかミスが目立ったものの、終始リードを奪い、2年連続のベスト8入りを果たした。
 「きょうだけは勝ってくれと話した」と池田剛幸監督。稲毛涼主将は「町内では今も復旧作業が続いていることを胸に刻んでプレーした。勝ててうれしい」と喜んだ。伊那市内の自宅から一時避難していた平島一樹選手は「自分たちの活躍で地元に恩返しをしたかった」と話した。
 諏訪清陵と伊那北は少なからず豪雨の影響を受けた。諏訪清陵は普段、練習に使っている諏訪市営球場が冠水。まともに練習できたのは20日だけで、21日は上田西のグラウンドを借りて調整した。6回途中から登板した森大樹投手は、諏訪市内の祖母宅が床上浸水の被害に。「落ち込んでいる祖母のためにも負けられない」と松本工戦に臨んだが、逆転負けを喫し「期待に応えられなかった」と肩を落とした。
 伊那北は、21日の試合が中止となり帰ろうとしたが、中央道が通行止めで、急きょ上田市内で宿泊先を探すなど対応に追われた。この日の試合は、上田に逆転負け。伊那市東春近の自宅が避難勧告を受けた酒井翔馬選手は「残念だが、自分のプレーはきちんとできた」と胸を張った。
【写真説明】ベスト8進出を決め、スタンドの声援に笑顔で応える辰野高校野球部の選手たち


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