信濃毎日新聞ニュース特集

大雨被害

復旧へ苦闘 冠水被害 諏訪市の諏訪湖畔
2006年7月22日(10:35)

 諏訪地方で断続的に降った豪雨で、最も冠水した諏訪市の諏訪湖畔は一時、水深が深いところで1メートルほどにも達した。ほぼ全域で水が引いた21日は再び雨が降り続き、床上浸水した民家や商店では、新たな災害を心配しながら復旧作業を進めた。
 諏訪湖の水位は通常より最大1・5メートル余り上昇し、同市高島3の市営諏訪湖ヨットハーバーは水没。湖岸の船台に置かれていたヨットは、大量のヨシにまみれて散乱していた。一部の浮桟橋は、増水による湖面の上昇に合わせて浮き上がり、水位がほぼ通常に戻ったこの日朝も、湖面から高さ1メートル余まで出ているくいの上端に引っ掛かった状態のままになっていた。
 岸まで約100メートルの湖岸通り5の民家は、湖への流入河川からあふれた水で1階の台所や居間が約30センチ浸水。この日朝から親せきと7人で畳を運び出した。同じく500メートルほど離れた同市豊田の畑では、ビニールハウスが約80センチ冠水。栽培農家の70代男性は「キュウリの根が弱り、栄養分を吸収できなくなる」と心配していた。
 湖岸から700メートルも離れた同市大手2の居酒屋でも、調理場が70センチほど浸水。泥にまみれた食器を洗っていた店主の小林徳子さん(58)は「きのうも夜中まで掃除をして、もうくたくた」と疲れた表情で話した。

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ヨットは船台から外れ、浮桟橋の板もくいから取れてしまった諏訪湖ヨットハーバー=21日午前8時前、諏訪市高島3


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遊覧船運航会社の桟橋にも諏訪湖増水の跡が。水に漬かった高さを示す運航会社関係者=21日午前9時ころ、諏訪市湖岸通り5

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諏訪湖岸から100メートルほど離れた民家は約30センチ床上浸水した。親せきも集まり、畳を運び出す=21日午前10時ころ、諏訪市湖岸通り5


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