信濃毎日新聞ニュース特集

大雨被害

中信の交通復旧作業続く 361号長期不通見通し
2006年7月21日(09:49)
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 梅雨前線による豪雨は、中信地方の交通網にも深刻な影響を及ぼしている。2月に開通した権兵衛トンネルを含む国道361号は土砂崩落で復旧のめどが立たず、木曽と伊那を結ぶ動脈は寸断されたまま。通行止めが続く県道も多い。土砂が線路を覆い、塩尻市木曽平沢で不通となっているJR中央西線は20日、運行再開に向けて土砂の撤去作業が続いた。
 国道361号は、木曽町日義神谷のループ橋付近で19日未明に約4000立方メートルの大規模な土砂崩落があった。伊那方面から権兵衛トンネルを通過した後、崩落現場を通らずに塩尻市奈良井に向かう県道も流出土砂で通行止めになっている。21日に松本、木曽両建設事務所などが県道を点検、開通時期を判断する。
 ただ、この県道は幅が狭い上、橋の重量規制もあり、普通車しか通行できない。大型車が通行できる国道361号について、木曽建設事務所は「8月中旬をめどに開通させたい」とし、時間がかかる見通しだ。
 塩尻市と岡谷市を結ぶ県道楢川岡谷線、安曇野市の県道豊科大天井岳線、大町市の県道青具簗場停車場線、小島信濃木崎停車場線なども土砂崩落や流出、道路崩落で一部区間の通行止めが続いている。
 道路陥没のため松本市安曇鵬雲崎で通行止めとなっていた国道158号は、迂回(うかい)路設置工事が終わり、20日午後一時に規制が解除された。周辺の県道上高地公園線、奈川木祖線、奈川野麦高根線も同時に解除された。
 近くの斜面から流れ出た土砂が中央西線の線路を覆った塩尻市木曽平沢の現場では20日、重機などによる土砂撤去作業がほぼ終了。当初心配された長さ3メートルほどの橋の流出はなかった。JR東海は「21日は始発から運行を再開したい」としている。
 塩尻志学館高校(塩尻市)では20日、中央西線を利用して木曽方面から通学する約30人が欠席。同様に一部が不通になっているJR中央東線利用の生徒の欠席も目立った。
【写真説明】右手斜面から崩壊した土砂でふさがった国道361号=20日午前10時10分、木曽町日義


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