信濃毎日新聞ニュース特集

大雨被害

釜口水門の放流量が過去最高に
2006年7月21日(09:33)

 19日までの大雨で、諏訪湖の釜口水門(岡谷市湊)から天竜川への放流は同日午後2時半、過去最大となる毎秒413・9トンを記録、現状の最大放流量(毎秒400トン)を超えていた。
 同事務所によると、湖へ注ぐ31河川の流入量は19日午前7時に毎秒733・05トンを記録。午後2時半の諏訪湖水位はこの時期の制限水位を1・58メートル上回る2・33メートルとなり、堤防高まであと7センチに迫った。
 同事務所は水門操作規則に基づき、流入量の増加に合わせて18日午後2時すぎから洪水調節を開始。湖水位が1・56メートルになった19日午前零時半すぎの放流量は毎秒300トン、1・92メートルになった同日午前5時40分すぎには上段ゲートの開放を規則上最大にした。
 水門は上下ゲートから最大毎秒600トンを放流できるが、天竜川の護岸、河床改修が完了していない現在は上段ゲートのみを操作。最大放流量は400トンとされているが、湖水位が想定の水準を超えたため400トン以上流れた。1988年の新水門完成後にこれまで最大だった2004年10月の230・0トンを大きく上回った。
 平沢清所長は「湖周の住民からは放流を増やすよう、天竜川流域の住民からは放流を減らすよう、それぞれ電話で要望があったが、諏訪地方では水があふれ、天竜川も決壊する中では、上下流の関係者の了解を得た操作規則を守るしかなかった」と話している。


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