信濃毎日新聞ニュース特集

大雨被害

各地の被害 中信
2006年7月20日(11:00)

 梅雨前線による豪雨被害は19日、中信地方にも広がった。木曽郡は、国道19号や国道361号など幹線道路が土砂流出や雨の事前規制で全面通行止めとなり、中央西線も不通で、午後2時ごろまで孤立状態に。塩尻市楢川や安曇野市明科地区では、土石流や河川増水の影響で一部住民に避難勧告が出た。松本市梓川では約3300世帯が断水するなど、各地で生活に大きな影響が出た。

<木曽>
06072031.jpg 塩尻市内で18日夜に国道19号が通行止めになって以降、迂回(うかい)路だった権兵衛トンネルを含む国道361号が19日午前2時50分、木曽町日義で土砂流出のため通行止めになった。国道19号は南木曽町読書―岐阜県中津川市間でも、同日午前7時半から規制基準雨量に達し、通行止めに。岐阜県高山市や松本市奈川地区、飯田市方面に通じる県道なども閉鎖された。
 国道19号沿いの「道の駅」やコンビニエンスストアでは、多くのトラックが開通を待った。愛知県津島市から松本市内へガソリンと軽油を運ぶタンクローリーの運転手(29)は「午前6時に着く予定だった。塩尻市で19号が止まっていたのは分かっていたが、権兵衛トンネルまで通れないとは…」と困惑した表情。
 木曽町などのコンビニには食品が届かず、宅配便営業所も荷物の発送ができなくなった。木曽町開田高原のそば製造会社は、19日出荷の生そばを午前5時から作り出したが、通常の午前9時ごろの出荷ができなくなって廃棄することに。「受注生産なので影響は大きい」と立川進社長。
 県立木曽病院(木曽町)は19日、松本市の信大から精神科の医師が来られないため、同科を休診とした。
 国道19号の南部は同日午後2時、通行止めが解除された。
【写真説明】土砂で埋まった木曽町日義の国道361号。山の斜面から石混じりの濁流が流れ続けており、復旧作業ができない=19日午後3時半
<松本・大北>
06072035.jpg 奈良井塩尻市では、土石流発生による避難勧告で、4世帯の8人が18日夜、奈良井公民館に避難。同公民館近くで土石流が起きたため、19日午前、楢川小学校体育館に移動した。市は楢川地区のほかの住民約700人にも自主避難を呼び掛け、同日午前、同体育館に約300人が避難した。
 安曇野市明科地区は、犀川が増水したため同日午前3時半ごろから、南陸郷など3地区の28世帯88人に避難勧告が出て、各公民館に避難。午後2時半に解除された。松本市安曇地区や生坂村でも一部住民が一時、自主避難した。
 松本市梓川地区では、2カ所の取水口が土砂で詰まり、午前8時前から全約3300世帯で断水。市上下水道局が給水車6台で対応し、復旧を急いだ。松本市では、四賀地区や惣社、寿地区で床上浸水があった。
 大町市8坂の犀川は水があふれる危険性が高まったため、市は八坂地区の瀬口、野平、舟場の計6世帯17人に避難勧告を発令。5世帯15人が一時避難した。
【写真説明】運行状況を駅員に尋ねる利用客=19日午前10時50分、JR松本駅


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