信濃毎日新聞ニュース特集

大雨被害

堤防えぐる濁流 箕輪の天竜川、鉄塔の土台も洗う
2006年7月20日(09:30)
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 上伊那郡箕輪町松島区北島で19日午前に決壊した天竜川右岸堤防は、その後も水があふれ続け、同日夜も建設業者約100人が復旧作業に当たった。投光器や重機数台を配置。クレーン車で次々とコンクリートブロックや土のうを降ろし、重機で決壊部分の周辺に積み上げた。
 箕輪町役場によると、崩れた堤防は約200メートル。すぐそばには高圧線の鉄塔が2基ある。いずれも土台が流れに洗われつつあり、ワイヤで引っ張ったり、土のうや大型コンクリートブロックを投げ入れたりして鉄塔を固定し、周辺の民家や田畑への流入を食い止めた。
 決壊幅は濁流に削られて一時は広がったが、国交省天竜川上流河川事務所の職員は「決壊幅の拡大は何とか防いでいる。徐々に水位も下がっており、なるべく早く復旧させたい」と話した。
 国土交通省と東京電力は18日から19日にかけ、豪雨による犀川の水位上昇を抑えるため、上流部の発電用などのダムの空き容量を活用し、貯水した。同省北陸地方整備局は「本来の目的以外にダムを使う事例は多くはないが、水の流出状況を考慮した」(河川部)としている。
【写真説明】濁流でえぐられ、決壊した天竜川=19日午後2時18分、上伊那郡箕輪町


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