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信毎の本ガイド

限界集落と地域再生

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社会・ノンフィクション 65歳以上の高齢者が集落人口の半数を超え、冠婚葬祭をはじめ田役、道役などの社会的共同生活の維持が困難な状態に置かれている集落―。長野大学の大野晃教授は、こうした集落を「限界集落」と名付けた。いまや全国に8000近くを数える「限界集落」は、その3割が消滅の一里塚を刻み、人体をむしばむガンにも似た社会的秒巣となって、止めようもない国土の崩壊を招きつつあるという。
一日中誰とも口をきかずにテレビを相手に夕暮れを待つ老人。バス路線が廃止され、タクシーで気の重い病院通いをしながら、1ケ月分の薬を頼んで断られ、2週間分の薬とアジの干物を手に家路を急ぐ老女。住む人がいなくなった廃屋は、家周りの田畑に植えられた杉に囲まれ、日も射さない。何年も人の手が入らず、間伐はおろか枝打ちさえされずに放置されている線香林は、枯れ枝を踏む乾いた音意外には何も聞こえない「沈黙の林」だ。
「限界集落」と「沈黙の林」に象徴される山村の現状に、どれだけの人が真剣なまなざしを向けているのか。人と自然が共に豊かになるような日本の未来は、どう切り開くべきなのか。
本書は、大野教授の20年に渡る山村での調査を元に、拡大する限界集落の現実を追いながら、山村と地域を再生する鍵をさまざまな角度から提言。地方の疲弊を招いた「山」と「むら」の荒廃を止めて、これらの豊かさを復活させることこそ、地方の再生になると主張している。









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