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風のかくれんぼ てんかん黙示録

日本図書館協会選定図書
風のかくれんぼ てんかん黙示録

社会・ノンフィクション 日本図書館協会選定図書  娘の発病を機にてんかんの猛勉強を始め、まだ夜明け前だったてんかん医療の世界に敢然と挑んだ母親の物語。テレビゲームとてんかんの関係が取りざたされた時は誤解と偏見を拭う啓蒙活動の先頭に立ち、てんかんを戯画的に描いたSF小説が教科書に採用された時には憤然抗議して作家を「断筆宣言」に追い込んだ。深く傷つけられた者たちの思いを胸に抱いて十余年。執念で書き上げた入魂のノンフィクションを以下の「出版宣言」と共に世に問う。

●出版宣言
『無人警察』教科書問題を覚えていますか。
 著名なSF作家が1960年代に書いた未来小説が
発表から30年近くたって高校国語教科書に掲載され
その小説の中の「てんかん」にかかわる記述が
この病気に対する誤解と偏見を助長すると
そして患者と家族の心を深く傷つけると
抗議の声が沸きあがりました。
 その一方で
その作家は「文学には差別する自由がある」と言い張り
「あたしゃ、キれました。プッツンします」と断筆宣言。
 論争はやがて文壇、マスコミ、言論界を巻き込んで
「表現の自由」「言葉狩り」「自主規制」「言論弾圧」…
さまざまな言説が飛び交い、百家争鳴の観となりましたが
そもそものきっかけだった「てんかん」からは遠く隔たり
患者と家族たちの悲鳴は置き去りにされたままでした。
 あれから14年、あの事件は何だったのでしょうか。
 あの時、悲憤慷慨を綴った手紙を作家に送り
作家を断筆宣言に追い込んだという著者は
「いつかきっと書くね」と仲間たちに約束したまま
今年はや74歳になりました。
 21世紀に至ってもなお誤解と偏見のうちに喘ぐてんかん。
 いやあの事件を経て世間のてんかんに対する認識は
かえって時計の針を逆戻りさせたかに見えるこのごろです。
 急がねばならない。
 今こそ声を振り絞って訴えねばならない。
世紀の大論争の陰で涙とともにのみこんだ悲しみと怒りの日々を
光と影の間で、希望と絶望のはざまで、かくれんぼする風に託し
隠すことなくてんかんを生きる勇気の言葉で語らねばならない。
 娘の発病にうろたえた40年前、毎朝の新聞を広げても
「て」と「ん」と「か」の字しか目に入らなかった母親は
娘の病を必死に勉強し、てんかんを書き継いできました。
 『風のかくれんぼ てんかん黙示録』
入魂のノンフィクションをお届けします。








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