●信毎本紙掲載記事より---------------
<雪形探し分かりやすく イラスト付け新版出版>
北安曇郡白馬村神城で宿泊業を営む写真家近田信敬さん(51)が、県内で見ることができる雪形をまとめた「信州雪形ウオッチング」の新版を信濃毎日新聞社から出版した。シルエットだけでは見方が分かりにくい雪形にイラストを付けることで「姿形」をイメージしやすいよう改訂。「雪形探しの決定版になれば」と願っている。
雪と山肌が描く雪形は県内では50種類以上あるという。人の形のほか、動物、農耕具などに見えるものがある。おのを持ったおじいさんが山を駆け降りているように見える八方尾根の「手斧打ち(ちょうなうち)」など見方が難しく、発見するのに苦労する模様もある。
2003年に出版した旧版では、無数の残雪模様の中から雪形をシルエットで抜き出し、発見しやすいよう工夫。ただ、「発見してもどこが顔で足か分からない」などといった読者からの声もあり、シルエット内に絵を描いて姿形を詳しく描写したイラストも付けた。
近田さんはこれまでの調査を基に原画を作製。僧が手に物を持って立つ常念岳の「常念坊」は、手にした物がとっくりという説と、托鉢(たくはつ)用の鉄鉢という2説があるが、とっくり説の方を採用。3人の女性が並ぶ白馬乗鞍岳の「嫁岩」は、花嫁が3人いるという説と、真ん中だけが花嫁という説もあるが、右側の女性が花嫁との説を採用して描いた。「イメージを広げやすいように」と昔話風の素朴な絵柄で27種類の雪形を描いている。
A5判で143ページ。価格は1600円(本体価格)。県内の書店などで販売している。
(2007年2月9日紙面掲載)