山岳県・長野を拠点とする信州大学が、これから開拓しようとしている新しい学問「山岳科学」。昨年、山岳科学総合研究所を創設、山と裾野の自然と社会をフィールドとし、自然と人間の相互関係の諸問題の実践的解決を目指している。本書はその成果を世に問う第一巻で、松本市で開いた「山岳科学フォーラム」の講演を再編集した。梅棹忠夫・国立民族学博物館顧問、山本久子・日本山岳協会副会長、茅野実・同研究所長(八十二銀行会長)ら多彩な顔ぶれによる「山岳科学宣言」ともいうべき内容だ。