信濃毎日新聞ニュース特集

どうする高校改革

犀峡のあり方検討へ 県教委、3地区での統合決定
2009年6月 9日掲載

 県教委は8日の定例会で、2018年ごろまでの「第1期県立高校再編計画」を決定した。計画案通り三つの旧通学区での統合を盛り、新たに生徒が160人以下の犀峡(上水内郡信州新町)のあり方を本年度中に検討するとした。各地の統合準備は、地元や学校関係者による「地域懇話会」を設置して進める。
 犀峡は、07年に発表した小規模校の再編基準に沿ってあり方の検討を始める。県教委によると、同校の生徒数は、再編の基準が示されて以降、09年度まで2年連続で160人以下で、卒業生の半数以上が同校に入学する中学校もなかった。
 計画によると、旧第2(須坂市・中野市など)で須坂商業と須坂園芸を13年以降に統合し、生徒が複数学科で学べる総合技術高校(工業系学科含む)を設置。旧第12(大北地方)でも、時期は未定だが大町と大町北を統合する。旧第6は13年以降、北佐久農業、岩村田の工業科、臼田を統合して総合技術高校を設置。岩村田は普通科高校とする。
 再編では、地区ごとに教職員らの「新校準備委員会」が目指す学校像などを検討。地元住民や有識者ら十数人でつくる地域懇話会は新校のあり方を県教委などに提言する。
 計画ではほかに、旧第5(上田市・東御市・小県郡)の東御清翔を多部制・単位制に転換。また、中高一貫校について、県立中学校を付属する併設型を東北信、中南信に1校ずつ設置する。
 県教委は08年9月に再編計画の骨子を提示。校数削減が望ましいとされた通学区で、住民などが方向性を検討し、県教委が計画案をまとめた。この日の定例会後の記者会見で、矢崎和広教育委員長は「子どもたちが多様な可能性を見つけることができる高校を、との方向性で議論が進むことを期待したい」と話した。
 一方、県高教組と県教組は8日、計画決定を受けてそれぞれ声明を発表。中高一貫校設置に対し、ともに「受験競争の低年齢化を招き、地域の中学校を空洞化させる」などと反対の立場を示した。高教組は、統合校への十分な予算付けや人員配置も求めた。


<前の記事 どうする高校改革 トップ 次の記事>

掲載中の記事・写真・イラストの無断転用を禁じます。
Copyright© 信濃毎日新聞 The Shinano Mainichi Shimbun