信濃毎日新聞ニュース特集

どうする高校改革

「総合技術高校」疑問視も 佐久で懇談会
2009年4月22日掲載

 県教委は20日、佐久市跡部の県佐久合同庁舎で県立高校再編に関する懇談会を開いた。佐久地方の学校関係者ら約60人が集まり、出席した県教委と意見を交わした。

 佐久地方(旧第6通学区)の計画案では、佐久市街地の県立高校を5校から4校に再編する。2013年以降、北佐久農業、岩村田、臼田の職業科を統合して総合技術高校に一本化。普通科は岩村田、野沢北、野沢南の3校を残し、臼田は廃止する。北佐久農業と臼田の校舎は、総合技術高校に利用する方針だ。

 懇談会では総合技術高校の在り方を中心に質疑された。中学校の教員らから「子どもたちは学科より自己実現できるかで学校を選ぶ。現在の案でうまくいくのか」「子どものニーズを調べて議論する必要がある」と、効果を疑問視する質問や意見が目立った。県教委は「総合技術高校が支持されるか、今後も地域の意見を聴いていきたい」と答えた。

 ほかに「(再編基準では1学級40人が適正とされているが)小規模でも豊かな学びの場にすることはできる」「経済状況が厳しい中で、地域に学校があることは大変重要」といった意見が出た。

 会議中、県教委側が再三「意見は簡潔に」と指示。発言者が十分に意見を述べられない雰囲気になり、参加者からは「地域や現場とコミュニケーションが取れているとは思えない」「意見を聴くと言っても、形ばかりではないか」と非難する声も出た。


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