信濃毎日新聞ニュース特集

どうする高校改革

「期待」「慎重に」の声 東御清翔高の計画案で説明会
2009年4月16日掲載

 県教育委員会は14日夜、東御市田中コミュニティーセンターで、東御清翔高校に多部制・単位制を導入するとした県立高校再編計画案について、地元住民に説明する懇談会を開いた。参加者からは歓迎、期待する声の一方、慎重な意見や十分な説明を求める声も出た。県教委は6月に再編計画を決定する。

 多部制・単位制は生徒が授業時間帯や時間割、科目を選択でき、4年または3年で卒業する。懇談会には県教委から小林一雄高校教育課長らが出席。「少人数で基礎からじっくり学べる」「全日制のほぼ3分の1の授業料で卒業できる」などと説明した。

 多部制・単位制への転換を求めてきた「東御清翔高校をよくする会」(会長・保科俶教県議)のメンバーは「全国の多部制・単位制高校を視察し、生徒が意欲的だと感じた」と発言。転換を前提に、少人数クラスの導入や悩みを持つ生徒のカウンセリングの充実を期待する意見もあった。

 これに対し、東御市内の女性は「市内に一つの高校が多部制・単位制になると、普通科へ行きたい生徒が困らないか」と懸念。「多部制・単位制の良い部分だけでなく、悪いところも率直に示してほしい」と求める声もあった。

 また、転換後は不登校の生徒らの受け皿にもなると考えられていることから、東御清翔高校が1学年120人の定員を求めている点について、上田市で不登校の生徒を支援する男性は「入学できない子がいたらどうするのか」と疑問を示した。

 東御清翔高校については昨年6月、「よくする会」が多部制・単位制への転換を求める提言書を県教委に提出。高校側は今年3月、「導入する方向で進めたい」との意向を県教委に示し、夜間部を置かない昼間の2部制とし、1学年の定員は午前部80人、午後部40人とする考えを伝えている。

 県教委は4月22日まで、県立高校再編計画案に対する県民の意見をFAX(026・235・7488)や郵送、メールなどで募集している。


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