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本社の新印刷空調システム 新聞協会賞を受賞

 日本新聞協会主催の第66回新聞大会は16日、鹿児島市で開かれた。大会式典で、信濃毎日新聞社の「新印刷空調システムの実用化輪転機結露ゼロへの挑戦」が、2013年度の新聞協会賞(技術部門)を受賞した。本社の協会賞受賞は13回(14件)目で、全国の地方新聞社で西日本新聞社(福岡市)の15件に次ぐ件数となった。

 授賞式では、本社の神林寿享(としたか)・印刷局塩尻製作センター印刷部長が表彰状とメダルを受け取り、「印刷現場に身を置き、感じるのは、機械は調子のいいとき、苦しいとき、それぞれに表情を表すのだということだ。輪転機の声を聞き、厄介だった結露を減らそうと試作を繰り返した。新聞界、新聞技術の発展に努力したい」とあいさつした。

 新印刷空調システムは、輪転機から出る熱や湿気を管理して印刷トラブルの原因となる結露を解消する独創的な仕組み。授賞理由では、印刷現場からの斬新な発想を創意と工夫で実現した空調システムで、機器の安定稼働と長寿命化、設備や資材のコスト削減、省エネ化など、印刷工場共通の課題の解決に寄与した点が高く評価された。

 大会には新聞、通信、放送各社の代表らが出席。南日本新聞社の逆瀬川尚文社長は災害報道に触れ「地域に根ざし、地域に貢献できるよう決意を新たにしている」とあいさつした。協会会長の白石興二郎読売新聞グループ本社社長は「誰もが等しく新聞を購読できる環境を守る必要がある。読者の新聞離れで民主主義の後退を招きかねない」と消費税増税への懸念を示した。

 より平和で安定した社会の実現に寄与することを誓った大会決議のほか、新聞に軽減税率適用を求める特別決議を採択。「消費税8%を乗り越える新聞経営―協調と競争」をテーマにしたパネルディスカッションがあり、各社の代表が軽減税率の必要性を訴えた。会場からも小坂壮太郎信濃毎日新聞社社長らが意見を述べた。

 協会賞は、編集部門で共同通信社の柔道女子代表の暴力・パワーハラスメント問題のスクープ、朝日新聞社の「手抜き除染」一連のスクープ、日本放送協会のNHKスペシャル「世界初撮影!深海の超巨大イカ」、北海道新聞社の長期連載企画「日ロ現場史」、琉球新報社と山陰中央新報社の合同企画「環(めぐ)りの海」が受賞。経営・業務部門で下野新聞社の「下野新聞NEWS CAFEの開設とその取り組み」が受賞した。

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