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シャガール「愛」の軌跡紹介へ 松本市美術館で企画展

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 松本市美術館開館10周年を記念した企画展「シャガール展2012―愛の物語」(同館、信濃毎日新聞社など主催)が10日、同館で開幕する。ロシアのトレチャコフ美術館などの収蔵品を中心に、画家マルク・シャガール(1887〜1985年)の作品101点を展示する。同館では会場準備が着々と進んでいる。
 シャガールは帝政ロシア領のビテブスク(現ベラルーシ)でユダヤ系の家に生まれた。1923年にパリへ移住。第2次大戦中ユダヤ人として迫害を受け米国へ亡命するが、戦後再びフランスに戻り世界的な画家として活躍した。企画展では政治や戦争に翻弄(ほんろう)されながらも、故郷や家族、ユダヤ人文化を描き続けたシャガールの「愛」の軌跡を紹介する。
 目玉の一つはシャガールが33歳の時に手掛けたモスクワのユダヤ劇場の壁画作品7点。最も大きな作品で縦約3メートル、横約8メートルあり、踊ったり楽器を演奏したりする男女を描いている。他に、ロシア国外での展示は初となる版画15点や、妻への愛を幻想的に描いた油彩画など。同館学芸員は「シャガールの芸術家としての懐の深さが感じられる企画展。貴重な作品も多い」と話している。
 4月1日まで。入場料は一般千円、高校・大学生と70歳以上の松本市民600円、中学生以下無料。問い合わせは同館(電話0263・39・7400)へ。
【写真説明】シャガールの壁画作品が展示された松本市美術館の会場

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