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買い物弱者支援に知恵出し合う 飯田「Waの会」30人参加

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 信濃毎日新聞社は16日、「話そう! 買い物環境と食べること」をテーマに地域討論会「Wa(輪・話・和)の会」を飯田市川路の天竜川総合学習館かわらんべで開いた。約30人が参加。小売店の撤退や高齢化で買い物弱者が増える中、具体的な支援のあり方などを考えた。
 茨城キリスト教大(茨城県日立市)の岩間信之准教授が、専門の「フードデザート」(食の砂漠)問題について講演した。中心市街地の空洞化や過疎化で生鮮食料品店などが撤退、買い物が困難になったり栄養が偏りがちな高齢者らが増えたりしていると指摘。フードデザートの問題は、経済的な困窮や社会からの孤立など、社会的サービスから排除されていることが本質にあるとした。「店を出せば解決するものではない」と強調した。
 岩間さんは、買い物弱者支援の成功例として、鳥取県内の農村で、店舗を拠点にトラックで食料品などを売り歩く会社の事例を紹介。地元出身者が販売して回るなどの工夫で、住民とのつながりを深めていることなどが成功のポイントと説明した。
 3グループに分かれた意見交換では、「配食、宅配サービスで食は満たされても、買うという行為を楽しみたい。その支援をどうするか」「行商のリヤカーに、買い物客から聞いたレシピを貼って紹介してみては」などと知恵を出し合った。
 飯田下伊那地方で取り組んでいる買い物客の送迎サービスの事例報告もあった。
【写真説明】買い物環境と食べることについて意見交換などをした「Waの会」

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