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2011年8月 2日〔編集局〕
信濃毎日新聞社は1日、岡谷市で取材教室「たんけん 信濃の国 岡谷編」を開いた。信毎こども記者クラブの活動で、県内各地の小学2年生から6年生までの約20人が参加。市内の宮坂製糸所や独立行政法人「農業生物資源研究所」旧生活資材開発ユニットの施設を訪ね、岡谷で栄えた製糸の歴史と技術について取材し、記事にまとめた。
宮坂製糸所では多様な繰糸機(そうしき)で風合いの柔らかな生糸や節のある糸、蛍光色の糸などさまざまな種類が作られる様子を取材。社長の宮坂照彦さん(72)から、海外との競争に勝つため「特長のある糸作り」を目指す現状を聞いた。
明治初期に岡谷で開発され、全国に普及した「諏訪式」の繰糸機を使う部屋では、ベテランの女性従業員が常に一定数の繭から糸を取るために手際良く繭を補給する姿を見学した。小諸市千曲小5年の柳沢星奈さん(10)は「簡単そうに見えるけど(自分には)絶対できない」と感心。子どもたちは従業員に「難しいことは何ですか」「この工場で働いて何年目?」と熱心に質問し、メモを取った。
3月末に閉鎖した旧ユニットの施設では、市立岡谷蚕糸博物館長の高林千幸(ちゆき)さん(60)の案内で、さまざまな機械が保存されている内部を見学。経済産業省の近代化産業遺産に認定された多条繰糸機に繭を掛ける作業も体験した。
【写真説明】繭から糸を引き出す作業を取材するこども記者=岡谷市の宮坂製糸所