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2011年5月28日〔メディア局〕
戦国武将真田幸村に仕えて活躍したとされる猿飛佐助ら真田十勇士を題材にした「決定版ぼくらは真田十勇士」を=写真=信濃毎日新聞社が出版した。1615(慶長20)年の大坂夏の陣で散り散りになった幸村と十勇士が、約400年の時を超えて「バーチャル同窓会」を開催。徳川の大軍を打ち破った戦いなどを振り返り、思い出話に花を咲かせる内容だ。
千曲市在住の作家宮坂勝彦さん(63)が中心に執筆し、本社出版部が編集した。三好清海入道が長野新幹線、霧隠才蔵がオオワシに乗って登場するなど、コミカルな調子で同窓会は開始。徳川秀忠率いる大軍を上田城で退けた第二次上田合戦の際、「お父さん(家康)が待ってるんでしょ? 関ケ原に遅れちゃうよ」と敵ながら心配したと、海野六郎が痛快に振り返る。
大坂夏の陣で戦死したとされる幸村らは、豊臣秀頼を連れて逃げた−という見方があることも紹介。十勇士たちは「大衆の夢の中で生まれ、夢によって大きく育まれた十勇士」「弱き者、滅びゆく者たちに重ね合わせたい思いがある限り、十勇士は永遠に不滅です」と話している。
明治、大正期に刊行され、猿飛や霧隠らの活躍を描いた立川文庫の一部も収録。上田市民有志が幸村を題材にしたNHK大河ドラマ実現に向けて活動していることや、戦国武将の中で幸村の人気が高いことにも言及した。
宮坂さんは「真田氏は長野県が誇れる一つの文化。人々の夢や憧れが十勇士を生み出したので、楽しんで読んでほしい」と話している。
A5判、200ページ、1890円。県内の書店で取り扱っている。