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「笑顔のままで」に新聞協会賞 本紙キャンペーン報道

 日本新聞協会は1日、信濃毎日新聞が1月から6月まで社会面などで展開したキャンペーン報道「笑顔のままで 認知症−長寿社会」に、2010年度の新聞協会賞(編集部門)を贈ると発表した。同部門には全国の新聞社、放送局から61件の応募があり、本紙報道は、長寿社会の普遍的なテーマである認知症について重層的に取り上げ、実名報道に徹しながら、具体的な解決策を示した点などが評価された。

 編集部門は「ニュース」(応募11件)「写真・映像」(同10件)「企画(キャンペーン、連載、地域報道、紙面作りの工夫など)」(同40件)の3部門で選考。本紙の受賞は企画部門(受賞1件)で、編集部門ではほかに3件が選ばれた。

 社会面連載「笑顔のままで」は、県内を中心に認知症の本人や家族、介護施設、医療、地域などの現状を77回にわたってルポ。全国の介護家族などへのアンケートも計7回実施した。要介護認定の大幅な見直しなどを求める「八つの提言」も提起した。

 授賞理由は「介護の負担が重く、症状への偏見も根強い中、認知症は誰にでも起こり得るものであり、社会や地域が一緒に支え合うべき問題だとのメッセージを強く訴えた」「実名報道に徹した取材手法と平易な文章で紹介した連載は、認知症に対する価値観を転換させ、読者に共感と勇気を与えた」などとされた。

 新聞協会賞は、新聞界(通信・放送を含む)の信頼性を高める活動の促進を目的に、優れたスクープやキャンペーンを表彰するため1957年に設けられた。編集、経営・業務、技術の3部門があり、本社の受賞は12回(13件)目。07年度から4年連続で、編集部門では5件目となる。

 授賞式は10月15日、都内で開く第63回新聞大会で行う。

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