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「笑顔のままで」JCJ賞 認知症見つめた本紙連載

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 日本ジャーナリスト会議(JCJ)は7日、信濃毎日新聞編集局のキャンペーン報道「笑顔のままで 認知症−長寿社会」に今年のJCJ賞を贈ると発表した。年間の優れたジャーナリズム活動・作品を顕彰する同賞は1958年の創設で、53回目。本紙の受賞は初めて。
 キャンペーン報道は1〜6月、認知症介護家族の孤立や、施設、医療、地域の現状などを追った社会面連載「笑顔のままで」(77回)、全国の介護家族や県内介護施設、医師らを対象にしたアンケートによる調査報道(7回)、介護や医療に役立つ情報を載せた「知っておきたい(医療編・介護編)」(くらし面、24回)などを展開した。
 また、要介護認定の大幅な見直しなどを求める「認知症対応社会に向けた八つの提言」を提起。全国より速く高齢化が進む県内を中心とした取材から、急増する認知症を受け止め、長い命を笑顔で全うできる社会への道筋を考えた。
 ジャーナリストの柴田鉄治・JCJ代表委員ら6人による選考では、「超高齢化社会が迎える新たな人権問題として、認知症をとらえた。地域の中で認知症に苦しむ人々を取材し、『隠すものではない』との考えから、実名報道によるルポを連載。読者との意見交換、アンケートなど多角的に情報を集め、政府にも認知症ケア報酬拡充など見直しを迫った」と評価された。
 取材班は、五十嵐裕(報道部次長)をデスクに、小松恵永、東条勝洋、千野雅樹、半田茂久、河原千春(以上報道部)、佐古泰司、園田清佳(以上文化部)、長戸文秀(東京支社報道部)、平林幹雄(写真部)、飯島裕一(編集委員)、畑谷史代(論説委員)、犬塚博嗣(整理部)で構成した。
 1955年設立のJCJは、新聞、放送、出版、写真などのジャーナリズム活動に携わる約800人の会員で構成。今年のJCJ賞には96点の応募と推薦があった。本紙キャンペーン報道以外の受賞は次の通り。
 JCJ賞▽琉球新報=連載「呪縛(じゅばく)の行方」を中心とする「普天間問題」のキャンペーン報道▽沖縄タイムス=連載「迷走『普天間』」を中心とする一連の報道▽白戸圭一さん=著書「ルポ 資源大陸アフリカ−暴力が結ぶ貧困と繁栄」。黒田清JCJ新人賞▽札幌テレビ・遊佐真己子記者=NNNドキュメント09「アラームに囲まれた命〜NICU…医療と福祉のはざまで」
【写真説明】社会面連載「笑顔のままで」などキャンペーン報道を展開した紙面

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