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2010年6月25日〔メディア局〕
信大名誉教授の川上浩さん(77)=長野市=が、県内で起きた土砂災害や発生のメカニズムをまとめた「山が動く土が襲う」を、信濃毎日新聞社から出版する。1963(昭和38)年に同大工学部の助教授に就いてから現在に至るまでの、各地の地滑りや土石流災害現場を研究した成果を収めている。
川上さんが土砂災害研究にのめり込んだきっかけは、同市松代町を震源とする「松代群発地震」が始まった翌年の66年、地殻変動に伴うわき水で起きた松代町豊栄の「牧内地滑り」。以来、水に着目しながら土砂災害のメカニズムや防止策の研究をしてきた。
著書の中では、地滑り、切土斜面の崩壊による労働災害、土石流の3部に分けて災害事例を紹介。85年に長野市で起きた地附山地滑り、2006年の集中豪雨で起きた岡谷市の土石流災害など33事例を、地質や災害発生時の雨量、地下水の分布状況などに言及しながら発生のメカニズムを説明している。
「土砂災害防止には、水の影響と地質の構造を知ることが大切」と川上さん。「それぞれの事例に当てはめながら、防災に役立ててほしい」と話している。
B5判、202ページ。2500円(税別)で、7月中旬ごろから販売する。問い合わせは信濃毎日新聞出版部(電話026・236・3377)へ。今月26日には川上さんの教え子が中心となり、記念講演などの出版記念パーティーを長野市内で開く。
【写真説明】信大名誉教授の川上浩さんがまとめた「山が動く 土が襲う」