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2009年11月25日〔メディア局〕
火坂雅志さんが本紙連載中の小説「真田三代」で描く戦国武将、真田一族の活躍をたどる「真田三代 活躍の舞台」が、信濃毎日新聞社から刊行された。歴史の舞台となった場所の写真や、合戦を描いたイラストを交え、分かりやすく解説。城跡の地図や周辺の見どころ案内も豊富で、ゆかりの地を訪ねるガイドブックとしても活用できる。
武田家の家臣として頭角を現した幸隆から、徳川、豊臣などの大勢力を相手に知謀をめぐらせた昌幸、大坂の陣で武名をとどろかせた幸村、松代藩の礎を築いた信之まで、三代4人の姿を年代順に解説。真田氏発祥の謎のほか、江戸時代以降、庶民の間に真田氏の武勇伝が広がった理由なども詳しい。上田城築城にまつわる新説や、「祢津のノノウ」と呼ばれた巫女(みこ)集団についてのコラムも掲載した。
昌幸が天正13(1585)年、上田城に攻め寄せた徳川軍を打ち破った「第一次上田合戦」については、見開きの鳥瞰(ちょうかん)図を使用。断崖上にあった上田城や、背後の守りを固めた砥石(といし)城との位置関係、両軍の布陣などが一目で分かる。
上田市真田町など5カ所の「まち歩きガイド」は、関連する城跡や寺社のほか、資料館などを紹介している。このうち松代町(長野市)は、川中島の戦いの舞台となった松代(海津)城、真田氏ゆかりの武具や古文書を展示する真田宝物館など17カ所。池田満寿夫美術館、象山地下壕(ごう)といった真田氏関連以外の見どころもある。
火坂さんが巻頭言を寄せ、「舞台となる土地の力や思いをすくい上げるのが歴史小説の役割だと思いますから、『真田三代』の執筆でもぜひ、そういう形を取りたい。『上から目線』でなく『土地から目線』で、語り合いの中から何かをつかみ、土地の力に羽根を付けて飛ばしたいのです」と述べている。
A5判、128ページ。1050円。問い合わせは信濃毎日新聞社出版部(電話026・236・3377)へ。
【写真説明】真田一族の足跡をたどる「真田三代 活躍の舞台」(信濃毎日新聞社刊)