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地球の悲鳴を各地からリポート 本紙「環境異変」刊行

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 地球の悲鳴が聞こえる−。動植物の生態系から農作物の変化まで、環境問題をリポートする「環境異変」が刊行された。信濃毎日新聞など全国46の新聞社と共同通信社によるリレー形式で昨年5月から1年間、本紙に連載した企画記事を再編成。「温暖化が止まらない」「脅かされる生命」「身近に迫る危機」の三つの視点で足元の異変を検証し、地球環境を考える。
 長野県からは、日本では本州中部の高山帯だけに生息し「氷河期の遺留動物」とされるライチョウの生息域が狭まっている現状を報告。福井県からは、水生植物の異常繁殖で水面がパレットのように変色した嶺南地方の湖の様子を伝えている。神奈川県の住宅街でヤマビルの被害が人や飼い犬にも及ぶなど、都市部で進む異変も取り上げた。
 気温の上昇に頭を悩ます稲作や果実栽培の現場をはじめ、ブラジル、フランスなど海外からも驚きのリポートが相次ぐ。
 巻末には環境問題用語集や年表をはじめ、各地で清掃登山を行うアルピニスト野口健さんのインタビューを掲載。「あとがき」で「人が環境を変え、変わる環境の中で人の暮らしも変化を迫られている」とし、問われるのは「人間の英知だ」と訴えている。
 信濃毎日新聞社発行。B5判、160ページ。1050円。県内主要書店で販売する。

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