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寺島氏「対米関係、再設計を」 須坂で信州岩波講座

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 11年目の信州岩波講座が2日、須坂市メセナホールで始まった。今年の基本テーマは「日本の『自立』−暮らしのベースを再構築するために」。初日は、日本総合研究所会長の寺島実郎氏が「世界潮流と日本の進路」と題し講演した。
 寺島氏は「戦後の日本人は、米国を通じて世界を見るという特殊な時代を生きてきた」と日本の対米依存に言及。だが冷戦終結後20年で、貿易総額に占める対米比率が約13%に半減する一方、対中国は20%余に増えたとし、「日本は中国を中心にしたアジアとの貿易で飯を食う国に急速に変わってきた」と説明した。
 米国の求心力が揺らいだ要因にイラク戦争とサブプライムローン(信用力の低い人や低所得者向けの住宅ローン)問題を挙げ、日本は「駐留米軍や日米地位協定といった問題を抱える対米関係を再設計し、自立の道を探ることが問われている」と強調した。
 講座は須坂市、岩波書店、信濃毎日新聞社、NPO法人ふおらむ集団999などでつくる実行委員会の主催。次回22日は、反貧困ネットワーク事務局長の湯浅誠氏と作家・ジャーナリストの堤未果氏がそれぞれ講演する。
【写真説明】寺島実郎さんが講演した信州岩波講座

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