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2009年4月 5日〔信毎文化事業財団〕
第57回信毎健康フォーラム(信濃毎日新聞社、信毎文化事業財団主催)は4日、「耳鼻科の病気−めまいと難聴」をテーマに伊那市荒井の市生涯学習センターで開いた。めまいと難聴の特徴や原因、検査方法を約300人が学んだ。
信大医学部の工穣(たくみゆたか)准教授は、内耳の異常などにより小脳で混乱が起き、目や筋肉などの感覚と一致しないことでめまいは起きる−と説明。代表的な例として、良性発作性頭位めまい症やメニエール病を紹介。メニエール病について「めまい、難聴、耳鳴りの発作を繰り返すのがポイント。めまいだけでメニエール病というのは正しくない」と強調した。
同学部の宇佐美真一教授は外耳道に耳あかが詰まったり、鼓膜に穴が開いたりする症例に触れ「音の伝わる道筋のどこに障害があっても難聴になる」と指摘。補聴器は軽い難聴から中等度まで対応できるが、90デシベル以上の難聴は内耳に細い電極を入れて聴神経に電気信号を送り込む人工内耳が有効−と説明した。
飯島裕一・本社編集委員が進行したパネル討論もあり、工准教授は突然めまいが起きた場合について「屋外は転倒の危険があるので、できるだけ人に声をかけて手伝ってもらうことが最低限必要だ」と話した。宇佐美教授は「不自由と感じた時が補聴器を付けるタイミング。同じ聴力でもその人の生活パターンで必要度が違う」とし、個人にあった補聴器の購入を勧めた。
【フォーラムの詳細は10日付朝刊で特集します】
【写真説明】「耳鼻科の病気―めまいと難聴」のテーマに、多くの聴講者が詰めかけた第57回信毎健康フォーラム=4日、伊那市生涯学習センター「いなっせ」