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「善光寺信仰展」4日から 長野の県信濃美術館

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 長野市箱清水の県信濃美術館で4日から5月31日まで、「“いのり”のかたち―善光寺信仰展」を開催します。
 ドイツ・シュツットガルトにあるリンデン民族学博物館が所蔵する阿(あ)弥(み)陀(だ)三尊立像は、善光寺(長野市)の御開帳で7年目ごとに公開される前立本尊と、姿や顔立ち、けさの衣紋が、そっくりの仏像です。米国人の日本美術収集家の手から、海を越えてドイツの博物館に渡ったこの仏像が、ドイツから里帰りします。
 また、東大寺俊乗堂で年に2日しか公開されない、鎌倉時代の仏師快慶が造った阿弥陀如来立像(重要文化財)は、特別に会期中を通して見ることができます。
 展覧会では、重要文化財約10点を含む仏像約60点が並びます。入場料は、大人1200円、大学生900円、高校生以下無料です。4月3日まで、大人前売り券を1000円で発売しています。問い合わせは、信濃毎日新聞社事業部(電話026・236・3366)へ。
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 「“いのり”のかたち―善光寺信仰展」の会期中、会場の県信濃美術館で、記念講演会や東筑摩郡波田町の仁王尊股(また)くぐり、善光寺縁起の絵解きなどを行います。
 「股くぐり」は4月11日午前11時−正午と午後1時−2時の2回で、参加する子どもたちを募集しています。仁王尊は高さ2.56メートルで、鎌倉時代末期に長野に住んだ仏師の妙海が造ったといわれています。子どもが仁王尊の股をくぐると、はしかが軽くすみ、丈夫に育つという言い伝えがあります。今回は、同美術館展示室で特別に股くぐりができます。高さ25センチ、幅35センチの穴をくぐることができれば、参加していただけます。
 県信濃美術館講堂で開く記念講演会は、4月12日午後1時からです。若麻績敏隆・善光寺営繕局次長(白蓮坊住職)が、「仏教とイメージ〜救いの表現〜」と題して講演。同展監修者で、県文化財保護審議会委員の武(む)笠(かさ)朗(あきら)実践女子大教授が「善光寺式阿(あ)弥(み)陀(だ)三尊像について」をテーマに話します。時代を超えて人々が受け継いできた「いのり」と「かたち」をひもときます。
 股くぐり、講演会ともに参加無料ですが、入場料が必要です。申し込みは、往復はがきに郵便番号、住所、氏名、電話番号、「股くぐり」か「講演会」かの希望を書いて、〒380−0801 長野市箱清水1−4−4 県信濃美術館「いのりのかたち」係へ。
 善光寺縁起の絵解きを5月1日、15日の午前10時からと11時からの30分間、会場ロビーで行います。講師は、歴史の町長野を紡ぐ会代表の小林玲子さんです。善光寺縁起絵伝の掛け軸に描かれた善光寺建立にまつわる伝説を、やさしく解き明かします。

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【写真説明】善光寺信仰展で展示するドイツ・リンデン民族学博物館所蔵の阿弥陀三尊立像(C)Linden-Museum Stuttgart(写真上)。昨年4月の「股くぐり祭」で仁王尊の下をくぐり抜ける男の子

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