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<信毎の本> ちひろと一茶

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 作家の田辺聖子さん言うところの「ひねくれ一茶」も、子どもの愛らしい姿を描き続けた絵本画家いわさきちひろのまなざしに出会ったとしたら、心やさしい純真無垢(むく)な魂として輝き出すに違いない―。これが本書の基本コンセプトです。
 生地・上水内郡信濃町柏原を「ついのすみか」とした一茶と、両親が信州出身で同町黒姫に仕事場を構えたちひろ。150年の時を隔てた2人の芸術家を、「小さきものへ」「こどもだいすき」「旅の空」「ふるさと信州」の“共通項”で結びます。約9400点あるちひろの絵の中から50点と、一茶の2万句から112句とを組み合わせることで、時空を超えた奇跡の共同作業による、夢のハーモニー世界を演出しています。
 「あまりの相性のよさについ調子に乗って…」と、ちひろの長男で編著者の松本猛さん(安曇野ちひろ美術館長)。ちひろと一茶が師走の野尻湖畔(信濃町)でデートし、それぞれの信州への思い、俳句や絵本をめぐる芸術談議、お互いの時代の子ども観などに話の花を咲かせるという、前代未聞のバーチャル(仮想)対談を書き下ろしました。これがまた「この本の魅力がとてもよくわかる」と好評です。
 A5判、144ページ、定価1680円(税込み)。お求めは書店、信毎販売店へ。

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