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<信毎の本> 信州映画人の贈り物(メッセージ) 魂の表現者たち

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 数多くの出版人が生まれた長野県は、「出版王国」と言われます。と同時に、県出身の映画人も多く、「黒部の太陽」の故熊井啓監督=安曇野市出身、「鉄道員(ぽっぽや)」の降旗康男監督=松本市出身、「月はどっちに出ている」の崔洋一監督=佐久市出身、最近では「ALWAYS 三丁目の夕日」の山崎貴監督=松本市出身=と、重鎮から若手まで、まさに山脈をなしています。
 2006年から07年にかけて、本紙ウイークエンド文化面に連載した県出身の映画監督8人のインタビュー記事「魂の表現者たち」を大幅加筆し、一冊にまとめたのが本書です。監督への道のりや助監督時代の苦労話、映画製作のこぼれ話やふるさとへの思いが、率直に語られています。
 記事にはなかった、映画のスチール写真や撮影風景、関連写真も掲載し、見るだけでも楽しい構成にしました。巻末には、県内各地の映画祭情報や、主要作品ビデオ・DVDリストを収録。映画ガイド本としても役立ちます。
 「時代状況が変われば、人間はどうとでも変われる不気味な存在だという思いが、戦争体験で身に染み付いている。ころりと思想信条を変える日本人とは何かと問い掛けたかった」(「海と毒薬」について)と熊井監督。8人が、時代や社会への問い掛けを突き詰め、映画を通して発した、魂を込めたメッセージが、心に響く一冊です。
 A5判、248ページ、定価1680円(税込み)。お求めは書店、信毎販売店へ。

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