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「信州の相撲人」出版 エピソードや成績紹介

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 江戸時代の雷電、昭和の大鷲など、長野県ゆかりの力士や関係者をまとめた「信州の相撲人」が本になった。元共同通信記者の京須(きょうす)利敏(としはる)さんが無料情報紙に連載した記事に加筆、計23人の興味深いエピソードに写真や成績も加え、貴重な資料にもなっている。
 力士は歴史順に13人取り上げた。「史上最強」と言われた現東御市出身の雷電は関脇からデビューした破格の待遇で、同名の力士が前後に数人いる、などと紹介。語り草となった大鷲と魁傑の取組を再現し、佐久市でちゃんこ店を営む元大鷲関の伊藤平さんとの交流も記した。
 現役では郷土力士のほか、日本相撲連盟会長の松村豊さん=飯田市出身、まげを結う床山の床鶴(本名・鍋島光男)さん=松本市出身=など多彩な顔ぶれが並ぶ。当時の錦絵や番付表、古里にある記念碑も発掘、幕内力士12人の幕内全成績と県出身力士一覧も添えた。
 京須さんは東京生まれ。法大相撲部出身で、大相撲記者を長く務めた。「週刊さくだいら」の依頼で2006年8月から月1回、約2年にわたり連載。豊富な取材経験と人脈を生かし、足跡を現地に訪ねるなどしてまとめた。
 取材を振り返り「信州には数多くの力士がいた」と京須さん。「そろそろ新たな関取が出てきてほしい」とエールを送っている。
 B6判、168ページ。信濃毎日新聞社刊。定価1260円。
【写真説明】「信州の相撲人」を手にする京須さん(左)と元大鷲関の伊藤さん

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