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信州Liveon―ブログで情報発信 注目のブロガー紹介

 信濃毎日新聞社が昨年12月にテスト公開した信州人の暮らしを応援するホームページ「信州Liveon(ライブオン)」。現在、300近い個人や団体がブロガー(ブログの筆者)として参加し、地域、芸術、自然、スポーツなど、県内各地のさまざまな情報を発信しています。
 「信州Liveon」に寄せられるブログ記事は、多いときには1日20本ほどになります。美術館関係者は、来館者には分からない企画展の舞台裏を紹介したり、展示にかける思いをつづったり。「MusicCANVAS」「ビート ルーズな日々」といった音楽分野のブログでは、ライブハウス運営者や音楽ファンが、お気に入りの曲や見てきたライブについて、熱く語っています。
 「雪崩の森」は雪崩研究者が投稿しているブログ。昨年末に起きた北アルプスでの雪崩事故に関連し、「樹木が立っていれば雪崩が無い場所だと思い込みやすい」と記すなど、専門家ならではの指摘が見られます。観光関係者のブログには「寒いね。こんな時こそ温泉へ」といったPRがあり、行政機関や公共施設からは講座・講演会など催しの情報が寄せられています。
 中には、これまでに2000件以上のアクセスがあったブログも。記事を読んだ人からのコメントのほか、ブログ筆者とコメントした人が互いのブログを訪問しあうといった交流も広がっています。
 「信州Liveon」のブロガー2人を紹介します。
<ブログ名「器の森から☆忘我亭」 高山裕美子さん(茅野市)>
 茅野市の高山裕美子さんは、「器の森から☆忘我亭」と名付けたブログで、蓼科高原の自然や創作陶器などの器について書いています。ブログでの名前(ニックネーム)は「こよみ丸」です。
 高山さんは、同市蓼科中央高原でギャラリー「忘我亭」を切り盛りしています。器について書いた記事で、ギャラリーで扱った作家の作品の素晴らしさや作家との交流の様子を、写真とともに紹介しています。「器は、作家のエネルギーそのもの。作品を見ていない人に、その迫力や価値をどう伝えればいいのか」と試行錯誤しているそうです。でも、「読んだ人が、こういう世界もあるんだと、印象に残ってくれたらうれしい。一つ一つの記事の情報発信力は弱くても、まとまったときに大きな力になれば」と話します。
 標高1250メートルにある忘我亭。付近で見られる動物の足跡や野鳥の話、高原の水辺にできた自然の造形など、ブログには住んでいる人にしか書けない季節感があふれています。「みんなが見ているはずなのに、気付いていない素晴らしいものを探して紹介したい」と、意欲を見せています。

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<ブログ名「自転車少年」 小林輝紀さん(飯山市)>
 雪深い飯山市から、「自転車少年」と題したブログで自転車やアウトドアの話題を届けているのは、自転車レースなどを手がける「TRK WORKS」の小林輝紀さんです。かつて選手だった自転車への情熱や、飯山への思いをつづっています。
 小林さんは現役引退後、野山を走り回るマウンテンバイクに触れるうちに、「自転車を、自然と共生するスポーツにしなければいけない」と痛感。それを実践する組織として、「TRK WORKS」を2000年に組織しました。騒音や排ガスがない自転車と自転車競技を多くの人に知ってもらいたいと、昨年4月に同市で初の自転車レースを開き、今春も計画しています。ブログでは、そんな活動も伝えています。
 「飯山発のライフスタイルを世界に発信したい」と小林さん。そのライフスタイルとは、「5、6キロ離れた店への買い物は、自動車でなく自転車で行く」「家族みんなが自転車で連れ立って旅行する」といった自然にやさしい生活のこと。「自転車」と「自然」をキーワードにした飯山からの情報発信は、ますます力が入りそうです。
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